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2012年 09月 01日

『日本2.0』の「芸術家の使命と覚悟」村上隆 ドーハ を読んで芸術家に対しての勘違いを知る

芸術が好きな人が集うサロンがある。友達と行きたいけれど、 店の雰囲気が品が良くて、政治的な話しができる感じではない。
芸術家とは、きれいなものを作り出す、どこか浮世離れした感じの庶民とは違うものといったイメージがある。
そういうイメージが好きな人が集うとなると、自分は品がないような、変な引け目を感じてしまう。


ーー抜粋ですーーー
日本人が大好きなゴッホという作家がいます。清貧でひとりぼっちで、弟しか理解者がいなくて、精神病で作品も売れなかった。それが日本ではアーティストのモデルケースであるかのように思われている。けれど、そんな作家の方が少ないです。アングルにしてもクリムトにしても、政治に踏み込んでいます。ペラスケスもドラクロワも同じ。政治的な文脈と芸術的な信念、正義感が合体していかないと、本当の芸術はできない。
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これを読んで胸のつかえが取れた気がした。

奈良美智さんの NO NUKESのカードを持った女の子の絵のプリントされているTシャツを着てサロンへ行ったことがある。どんな反応をするだろう?という試しの意味で。

サロンのお客さん、まったく反応なし。
サロンのオーナーさん、ちらっと Tシャツに目がいくもすぐに視線をそらす。(触れてはいけない)

参考になりました。


こんな文章を読むと、生きる力が湧きます!
私だけかな。

ーーーー抜粋ーーーー
伊藤若冲(じゃくちゅう)という作家がいます。若冲は青物問屋のバカ息子で、嫁もめとらず、オタクで絵ばかり描いていたと言われていました。ところが近年ある文献が見つかって、若冲は青物問屋を仕切っていたということがわかりました。徳川幕府から来る理不尽な要求を、一つひとつ政治的にクリアしていったことも文献に残っていた。
ーー省略 ーー
狩野雪山という作家がいます。彼は権力に対してまずい言動をしたようで、最後は牢獄で命を絶ってしまった。芸術家が自分の信念から行動する場合には、狩野雪山のように投獄されてしまうか、もしくは若冲のように、すべてを切り盛りし、人民ぐるみ街ぐるみで活動していかなくてはならない。どちらかだと思う。
ーー省略ーー
芸術家の本懐は自分の信念に殉じることです。僕もいつか、狩野雪山や堀江貴文さんのように逮捕され投獄されてしまうかもしれません。自分が信じる道をやり続けて投獄されてしまうのであれば、それはそれで仕方ないでしょう。そうなるのが嫌であれば、若冲のようにお金もなにも全部動かしていかなければいけない。日本人は甘えすぎです。僕は日本人として甘えを断ち切る努力をしていきます。
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福祉の仕事をしていて
社会や人間の歪の引き受けの仕事を選んでしまったけど、芸術のようなきれいな仕事はいいね。
と思ったことがあるのですが、とんでもない勘違いをしていたようです。

芸術家じゃなくても自分の信念に殉じた生き方を選べばやはり同じような事なのでしょう。


(facebookのノートに書いたものを一部変更して載せました。)

by atarasi_i_sima | 2012-09-01 15:42 |


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